2007年09月07日
靴屋のおじさんの話
大昔の話。私は大学に行きたかったが、諸事情で断念。
半年コースの速習の経理学校を出て、就職することになった。
それでスーツやカバン、靴などを揃えなければいけない。喫茶店のバイトで貯めたお金で一揃いを買おうと町へ出た。
スーツやシャツなどの紙袋を抱えながら向かったのは老舗の靴屋。仙台では稀な輸入靴を販売している店で若者の憧れであった。私もトップサイダーのデッキシューズを買って悦にいったものである。
しかし、ビジネスシューズを買うのは初めて。店の奥にそのコーナーはあるのだが、場違いな雰囲気になかなか近づけないでいた。
店の奥にいた、店主と思しきおじさんがこちらに向かってきた。
おじさん「就職かい?」
私 「はい、それでスーツに合う靴を・・・」
おじさん「どんなのがいい?」
私 「えーと、黒いヤツ・・・」 などと要領を得ない(^^;
おじさんは私の肩を抱き、奥のコーナーへ招くように連れて行ってくれた。
しかし、棚に並んだ高級靴の値札を見てたじろいでしまう。5万前後の靴ばかりだった。
おじさん「どうした?」
私 「ちょっと無理みたいです」
おじさん「いくら持っている?」
私 「3万5千円です、これでカバンも買わないと・・・」
うつむく私をおじさんはイスに座らせ、一足の靴を持ってきた。プレーンの黒光りしている見るからに高級そうなやつ。値札を見ると4万5千円とあった。逡巡する私に「いいから履いてみろ」と言って靴べらを渡してきた。私は観念するように恐る恐る足を入れたのである。
それはこの世のものとは思えない、素晴らしい履き心地で、初心者の私ですら、それはわかった。
そして膝まずいて同じ目線になったおじさんは察するように、こう言った。
「いいか、どんなに貧乏でも靴だけは良い物を履きなさい。もし、買えないときは常に綺麗に磨いておくんだ」「そうすればいつか必ず出世する」と。
「でも、値段が・・・」と言うと、「3万5千円で良い」とおじさんは言った。
おじさんの真摯な目を見て、「商売で言ってない」と子供ながらに感じた。
おじさんに従い、その靴を買った。カバンは中古で買えばいいと思って。
その靴はチャーチと言い、今でも好きなブランドである。値引きして売るようなものではないと知ったのは、かなり後のことだった。20年以上経った今でも履ける。
久しぶりに店の近くを通った。しかし、すでに店は跡形もなかった。。。。(涙)
時は人を待たないものだ・・・
おじさんに会いたかった、そして伝えたかった。
「言われたことを今でも守っています」「今では数十人の会社を経営してます」と。
昔は良い店があって、若者に数々の教訓を残した。
出世したければ靴は綺麗に磨こう!!
PS
このblogを靴磨き業をはじめる、苦楽を共にした弊社元役員に捧げる。
半年コースの速習の経理学校を出て、就職することになった。
それでスーツやカバン、靴などを揃えなければいけない。喫茶店のバイトで貯めたお金で一揃いを買おうと町へ出た。
スーツやシャツなどの紙袋を抱えながら向かったのは老舗の靴屋。仙台では稀な輸入靴を販売している店で若者の憧れであった。私もトップサイダーのデッキシューズを買って悦にいったものである。
しかし、ビジネスシューズを買うのは初めて。店の奥にそのコーナーはあるのだが、場違いな雰囲気になかなか近づけないでいた。
店の奥にいた、店主と思しきおじさんがこちらに向かってきた。
おじさん「就職かい?」
私 「はい、それでスーツに合う靴を・・・」
おじさん「どんなのがいい?」
私 「えーと、黒いヤツ・・・」 などと要領を得ない(^^;
おじさんは私の肩を抱き、奥のコーナーへ招くように連れて行ってくれた。
しかし、棚に並んだ高級靴の値札を見てたじろいでしまう。5万前後の靴ばかりだった。
おじさん「どうした?」
私 「ちょっと無理みたいです」
おじさん「いくら持っている?」
私 「3万5千円です、これでカバンも買わないと・・・」
うつむく私をおじさんはイスに座らせ、一足の靴を持ってきた。プレーンの黒光りしている見るからに高級そうなやつ。値札を見ると4万5千円とあった。逡巡する私に「いいから履いてみろ」と言って靴べらを渡してきた。私は観念するように恐る恐る足を入れたのである。
それはこの世のものとは思えない、素晴らしい履き心地で、初心者の私ですら、それはわかった。
そして膝まずいて同じ目線になったおじさんは察するように、こう言った。
「いいか、どんなに貧乏でも靴だけは良い物を履きなさい。もし、買えないときは常に綺麗に磨いておくんだ」「そうすればいつか必ず出世する」と。
「でも、値段が・・・」と言うと、「3万5千円で良い」とおじさんは言った。
おじさんの真摯な目を見て、「商売で言ってない」と子供ながらに感じた。
おじさんに従い、その靴を買った。カバンは中古で買えばいいと思って。
その靴はチャーチと言い、今でも好きなブランドである。値引きして売るようなものではないと知ったのは、かなり後のことだった。20年以上経った今でも履ける。
久しぶりに店の近くを通った。しかし、すでに店は跡形もなかった。。。。(涙)
時は人を待たないものだ・・・
おじさんに会いたかった、そして伝えたかった。
「言われたことを今でも守っています」「今では数十人の会社を経営してます」と。
昔は良い店があって、若者に数々の教訓を残した。
出世したければ靴は綺麗に磨こう!!
PS
このblogを靴磨き業をはじめる、苦楽を共にした弊社元役員に捧げる。
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この記事へのコメント
1. Posted by
minako
2007年09月07日 17:11
いい出会いが、たくさんあったんですね・・・。
2. Posted by マックス
2007年09月09日 02:33
ええ話や・・・
ズゲン社長には
泣き笑い話、いっぱいあるんだね。
いつか本でも書いたらいいよ。
あ、でももうちょっと出世しないと
売れないか(笑)。
ズゲン社長には
泣き笑い話、いっぱいあるんだね。
いつか本でも書いたらいいよ。
あ、でももうちょっと出世しないと
売れないか(笑)。
3. Posted by P
2007年09月21日 11:48
その破天荒ぶりは
俺が世の中で頭が上がらない唯一の人だと
いつも考えさせられるよ。
社長BLOGを始めたんだね。
これからは、ちょくちょく覗くよ。
ベクトルは違ってても
おめーだけには負けねー
めんこでもぜーってー負けないからね。
PS 誰だかわかるでしょ。 (笑)
4. Posted by 時空だす
2007年09月21日 21:41
ははは、すぐわかるよ(^^)






